大震災の動揺に拍車=影響は多方面に―みずほシステム障害
震災による犠牲者が日を追うごとに増え、東京電力福島第1原発の事故が深刻化していた3月中旬、3大金融グループの一角であるみずほ銀行が、2002年4月の旧3行統合時に続く2度目の大規模なシステム障害を引き起こした。義援金集中への対応ミスが引き金となり、全ての現金自動預払機(ATM)が停止。ライフラインの一つである金融機能を2週間にわたって滞らせ、国民の動揺に拍車を掛けた。 障害による振り込み不能は震災4日後の3月15日に38万件が判明して以降、ピーク時には116万件に膨れ上がった。19~21日の3連休中は、ATM全面停止の代替措置として、店舗窓口で預金者に現金10万円まで支払う特例払いを行った。銀行側は本人確認を徹底したが、同一人物が複数支店で現金を受け取るなど預金残高を超えた引き出しも発生。支払った計196億円のうち、8日現在で数億円が未回収となっている。 みずほ銀が連休中の支払いに備えて多額の現金を抱え込んだことは、被災地の金融機関に対する現金供給を最優先に取り組んでいた日銀の発券業務にも影響を及ぼした。他行の現金が不足しないよう調整する必要性に迫られたからだ。企業も25日の給与支払いに備え、みずほ銀から他行に口座を移すことを余儀なくされるなど、影響は多方面に広がった。 公的資金を投入してまで守ってきた金融システムの根幹業務が停止したことを受け、金融庁はみずほ銀に対し、銀行法に基づいて障害原因の報告命令を発動。今後、臨時検査の結果も踏まえて業務改善命令などの処分を検討する。トラブル拡大を防げなかった西堀利頭取ら経営陣の責任追及が本格化する見通しだ。